2013/12/07

文化不毛地帯のシリコンバレーでアートについて考えてみた

シリコンバレーはIT系企業の集積地で、AppleやGoogleといった世界的企業のオフィスが至る所にある。だけどそれを除けばどこにでもあるような地方都市で、ロードサイドにショッピングモールが点在するようなあまり文化的とは言えない風景が広がっている。

そんなシリコンバレーで、休館中のSFMOMAによりProject Los Altosという企画が行われている。

ロスアルトスにゆかりのあるアーティストの作品や、シリコンバレーをテーマとした作品を集めているようだ。

ロスアルトスは、Forbesが発表した米国で地価が高い地域にリストアップされている高級住宅地で、スティーブ・ジョブズのガレージがあることでも有名。

ダウンタウンのメイン通りを中心に、小さなギャラリーや単体の作品が点在。ギャラリーでは、写真や映像を用いたインスタレーション等が展示されている。

アーティストの講演といったイベントも行われたようで、その時の映像が見られるコーナーも。

特に印象に残ったのは、シリコンバレーの何気ない風景を写した写真の展示
色や陰影を排したモノクロ写真は、真っ新な所からスタートアップが生まれるような、シリコンバレーが持つ「可能性」を象徴しているそう。

シリコンバレーの写真が展示されていたギャラリー
シリコンバレーは様々なイノベーションが生まれているけれど、その過程は必ずしも写真に写せるものではない。それをいかに可視化するか、みたいなことが一連の写真のテーマであるように思えた。
また、「有名なIT企業やスタートアップが数多くあり、最先端の製品やサービスが次々生み出される場所」という一般的なイメージは表向きのもので、シリコンバレーの日常は必ずしもそいうった側面ばかりではない。この写真は、そういった普段着のシリコンバレーを淡々と捉えているという印象を受けた。
素敵なギャラリーが点在
シリコンバレーに住み始めて、表向きのイメージと、実際に暮らすのとでは大きなギャップがあるなぁと感じていたので、自分の気分とこの作品がシンクロした。

そして、ギャラリーのスタッフが「アート関連の仕事あまり稼げないからこの辺ではあまり人気がない。でも好きなアートに触れられる最高の仕事、お金は関係ないわ!」と言っていたのがとても印象的だった。好きなものを好きと言えるブレない姿勢と笑顔がとても素敵な女性で、煩悩だらけで流されやすい私にはとても眩しかった。

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